NTTドコモグループ9社は8月8日,企業向けIP電話サービス「ビジネスmoperaIPセントレックス」を11月1日から開始すると発表した。同社のFOMA/無線LANデュアル端末「N900iL」の利用を前提としたIPセントレックス・サービスで,社内は無線LAN,社外では携帯電話回線を利用する。外線通話には050番号のIPサービスを利用する。

 ビジネスmoperaIPセントレックスでは,NTTドコモの網内にあるIPセントレックス・サーバーを介してIP電話による内線/外線通話が可能になる。企業はIP-PBXなどの構内交換機を設置しなくて済むほか,外線に050のIP電話を利用することで固定電話や携帯電話への通話料金を削減できる。

 主な内線電話機能は,発信者番号の通知/表示,ピックアップ,転送(応答後転送,話中転送,無線LAN圏外時転送)など。オプションで,(1)アクセス回線の冗長化,(2)プレゼンス/IM,(3) VoIP-GW接続の三つを用意する。(1)はアクセス回線の障害時にバックアップ回線に自動的に切り替えるサービス。(2)は「通話中」や「圏外」といったプレゼンス情報を確認したり,インスタント・メッセージを送受信できるようにするサービス。(3)は既存のPBXと連携した内線通話や転送を可能にするサービスである。

 初期費用は契約事務手数料が2100円,工事費が7万3500円。ただし,工事費は2007年3月分の申し込みまでは無料とする。月額料金は,050番号の利用料と,アクセス回線の接続料がかかる。050番号の利用料は1番号当たり月額1365円。アクセス回線の接続料は,Bフレッツの場合で1回線当たり月額5250円,専用線(ATM,イーサネット)の場合で1回線当たり月額8400円。ともにアクセス回線の月額料金は含んでおらず,端末(N900iL)や無線LANの設備も別途用意する必要がある。

 050のIP電話から発信した場合の通話料は,一般加入電話とIP電話あてが3分8.4円。携帯電話とPHSあてが1分18.9円。同一契約者間と,ビジネスmoperaIPセントレックスの契約者間の通話は無料になる。