日立東日本ソリューションズは,企業間をまたがる業務のやり取りを電子署名とデータ暗号化によって安全に実施するためのメール・サーバー・ソフト「eMailKit S/MIMEゲートウェイ」を,2006年8月8日に出荷した。稼働OSはWindows 2000以降。価格は1CPU機で使う場合に49万8000円(税別)。

 eMailKit S/MIMEゲートウェイは,公開鍵暗号方式を用いてメールに電子署名と暗号化を施すS/MIMEを実装したメール・サーバー・ソフト。S/MIMEは,HTTPS同様に,第三者認証機関が電子証明書に正当性を与える公的なセキュリティ基盤である。同ソフトをインストールしたサーバー機をメール・サーバーとして利用することで,クライアントPC上のメール・ソフトに変更を加えることなく,S/MIMEを利用してメールを送信できる。

 最大の特徴は「価格が安いこと」(日立東日本ソリューションズ)。S/MIMEゲートウエイはソフトウエアやアプライアンスなど多数の製品があるが,価格はもっとも安いという。S/MIMEゲートウエイの価格差が大きくなるケースは「代表メール・アドレスを用いた特定業務のデータのやり取り」(同社)である。

 全社員のメール・アドレスを対象にS/MIMEを導入するケースでは電子証明書の費用などユーザー数に応じてコストがかさむためS/MIMEゲートウエイ自体の価格差は薄まってしまう。一方で,特定業務用途であれば電子証明書にかかる費用が減るため,相対的にS/MIMEゲートウエイの価格差が大きくなる。メール・アドレスを限定することによって価格の安さが生きるが,eMailKit S/MIMEゲートウエイではユーザー数も無制限に設定している。