野村総研が判定したオープンソース・ソフトウエアの実用度を示す「NRIオープンソースマップ」
野村総研が判定したオープンソース・ソフトウエアの実用度を示す「NRIオープンソースマップ」
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野村総研が調査した,ベンチャ・キャピタルによるおもなオープンソース・ベンチャ企業への投資。○で囲まれているのが野村総研が注目している企業
野村総研が調査した,ベンチャ・キャピタルによるおもなオープンソース・ベンチャ企業への投資。○で囲まれているのが野村総研が注目している企業
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 野村総合研究所は8月8日,オープンソース・ソフトウエアの実用度を判定したチャート「NRIオープンソース・マップ」を公開した。野村総合研究所が注目している24種のオープンソース・ソフトウエアを「成熟度」と「プレゼンス」の2つの軸上にマッピングしたもの。

 「成熟度」は関連ドキュメントの量と種類,リリース回数,品質などに基づき判定した。「プレゼンス」はWeb上での関連用語登場回数,検索サイトでのヒット数,サポートを提供しているベンダー数などに基づき判定した。

 野村総合研究所では,成熟度とプレゼンスがともに3以上のソフトウエアを「企業システムで使えるレベル」とする。このレベルにあるのはMySQL,PostgreSQL,Apache Tomcat,JBoss Application Server,Apache Derbt,JOnAS,Firebird,SugarCRM,Compirere ERP&CRM,JBoss jBRM,JasperReportsである。

 マップを作成した野村総合研究所 技術本部主任研究員 城田真琴氏は「現在のオープンソース・ソフトウエアは,かつてのように研究者が片手間に開発しているのではなく,ベンダーの専門の技術者が開発している。例えばJBoss社は自らをプロフェッショナル・オープンソースと呼び,EJB 3.0規格をリードし,AOPやPOJOなどの先端的な機能をいち早く製品に取り入れるなど,商用製品をリードするほどのポジションを獲得している」と,オープンソースがもたらした影響の大きさを指摘した。

 また城田氏は「ベンチャ・キャピタルから多くのオープンソース・ベンチャ企業に対する投資が行われており,それを見ると今後はオープンソースのアプリケーションに注目が集まっていることがわかる」と話した。

 野村総合研究所 情報技術本部 オープンソースソリューションセンター グループマネージャー 寺田雄一氏はオープンソースには「コスト削減」や「スタンダードであること」,「長期間に保守できる可能性」などのメリットもあるが,品質,情報や技術者の不足,サポート不足という不安もあると指摘。活用するためのポイントとして「使用するオープンソースについて社内標準を確立する」,「単体で使うのではなく,組み合わせで使う」,「オープンソースの専門組織を作る」ことが有効であると語った。