メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアムが設立
メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアムが設立
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 サイボウズやソフトブレーンなど,国内の業務アプリケーション・ソフトウエア・ベンダー13社は8月7日,国産業務アプリケーションの連携と認知度向上などを目指す団体「メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム」(MIJS)を発足した。有限責任事業組合として運営する。

 参加各社はコンソーシアムを通し,アプリケーション連携や国内外でのマーケティング活動などで協力する。アプリケーション連携に当たっては「参加各社でのソース・コード共有を視野に入れている。ユーザー・インタフェースの統一も図りたい」(サイボウズの青野慶久社長)としている。

 MIJS設立の背景として,サイボウズの青野社長は「業務ソフトウエアは海外製品に押されっぱなしの状態。だが,日本のソフトウエアも製品一つひとつを見れば海外製品に負けていない」と説明する。現在,海外製品が国内業務ソフトウエア市場の9割を占めるが,これを覆したい考え。

 また,青野社長は「ある企業の案件でサイボウズのグループウエアを導入する話が順調に進んでいたにもかかわらず,最後の最後でマイクロソフトの『Exchange』にひっくり返された」という最近経験した話を紹介。「その時にその企業からは『マイクロソフト製品で統一しておくとラクでしょ』と言われた。個々の製品が優れていても,統一して価値を提供できなければ勝てない」と強調する。

 MIJSでは,参加企業の製品間でのアプリケーション連携からスタート。その後,各社製品をASP(Application Service Provider)型で提供する際の共通プラットフォームの開発を目指す。これは各アプリケーション利用時のユーザー登録や課金,ログ管理などを統一するもの。さらに将来的にはSOA(Service Oriented Architecture)型で各社製品を連携する計画である。

 コンソーシアムを通して海外進出も計画。特に中国と北米市場に力を入れ,日系企業を中心に各社製品の拡販を目指す。ソフトブレーンの松田孝裕社長は,「1社では人もコストもかけられず,これまで海外進出を諦めた例も多かった。MIJSでコストをシェアすればより効率的なマーケティング活動ができる」と説明する。

 MIJSに参加するのは,アプレッソ,インフォベック,ウイングアークテクノロジーズ,ウッドランド,エス・エス・ジェイ,クオリティ,構造計画研究所,サイボウズ,システムインテグレータ,ソフトブレーン,東洋ビジネスエンジニアリング,HOWS,リード・レックス。