静岡県浜松市が、文書管理や計画評価、人事給与、総務事務など、行政を経営する上で基本となる業務を対象とした、全庁で利用する総合的なシステムである「行政経営基幹システム」を2009年4月までに構築する計画であることが明らかになった。同市では現在、職員が自己開発した各システムを汎用機上で運用を行なっているが、戦略的行政経営システムや新公会計制度など新たな行政経営手法に対応するため、今回全面的な更新に踏み切ることとした。

 浜松市では総務省「新地方公会計制度研究会」のモデル事業として「貸借対照表」「行政コスト計算書」「資金収支計算書」「純資産変動計算書」の4文書とそれに付随する財務書類を整備する“実験”を行うが、今回開発する「行政経営基幹システム」の財務会計システムは、こうした複式簿記・発生主義による公会計に対応できる機能を盛り込む(関連記事)。

 同市ではまず、この8月から「行政経営基幹システム」の発注仕様書の作成に着手する。2007年1月には総合評価一般競争入札による事業者選定の公告を出し、2009年1月には文書管理を、同年4月には残りのシステムを稼動させる計画だ。

 並行して、基幹システムを始めとする庁内システム並びに業務の最適化を推進するため、2007年4月から2年間の任期付きで部長級のCIO補佐官を民間企業等から公募により採用する。8月4日からは同市のWebサイトで人材公募に関する情報を掲載を開始した。CIO補佐官には企画部内に新たに設置する情報化推進担当部長のポストを用意。企画部情報政策課を統括し、CIO(副市長)を補佐する。