静岡県を中心に広域イーサネット・サービスなどを提供するTOKAIグループは8月3日,ソフトバンク・グループとの事業提携を発表した。提携内容は,(1)移動体通信事業での協業,(2)ネットワーク・インフラの相互補完,(3)コンシューマ向けブロードバンド事業での協業--の三つ。

 (1)の移動体通信事業での協業は,11月にも始まる番号ポータビリティ(MNP)を契機に,ボーダフォンの携帯電話サービスをTOKAIグループで取り扱うための検討を開始するというもの。ボーダフォンのサービスをそのまま再販するケースと,ボーダフォンの携帯電話インフラをTOKAIグループが借り受けて自社サービスとして提供する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」の両方式を検討しているという。ただし,「具体的な方法や開始時期については現在検討中」(TOKAI)として明言を避けている。

 TOKAIグループは2005年6月,携帯電話事業に新規参入するイー・アクセスともMVNOとして協業する方針を明らかにしており,MVNO事業戦略をさらに押し進めた格好だ。

 (2)のネットワーク・インフラの相互補完は,TOKAIグループが保有する東名阪の光ネットワークをソフトバンクに提供したり,TOKAIグループがネットワークを保有しない地域でソフトバンクのネットワークを利用できるようにする。(3)のコンシューマ向けブロードバンド事業での協業については,「インフラ構築とコンテンツ・サービスで協業する」との発表にとどめており,具体的な内容は明らかにしていない。