サン・マイクロシステムズは8月2日、米AMDの64ビット・プロセサOpteronを搭載したサーバー3機種を発表した。3製品投入で、業績の回復基調を加速させることを狙う。末次朝彦社長は、「サン日本法人が扱うサーバー全体の出荷金額のうち、64ビット対応のx86サーバーが3割を占めるだろう」と語った。

 記者発表の冒頭、末次社長は米サンの復活をアピールした。06年度第4四半期(5月~7月)の売上高は38億2800万ドルで前年同期比29%増。第1四半期の4%増、第2四半期の17%増、第3四半期の21%増からさらに増加率を上げ、マイナス成長もあった04年度、05年度の伸び悩みから脱却しつつある。末次社長は、「米ヒューレット・パッカード、米IBM、米デル、米サン・マイクロシステムズのうち、05年10月から06年3月までで売上高とマーケット・シェアの両方を伸ばしたのはサンだけだ」とした。

 売上高を伸ばした要因の一つが、PCサーバーの好調だ。64ビット対応のx86サーバーの出荷台数(ワールドワイド)は、06年第1四半期で2万3979台。これは、前年同期比97%増の数字である。日本でも「出荷台数は四半期ごとで倍々」(プロダクト・マーケティング本部の佐藤英樹専任部長)で、昨年11月に出荷したOpteron搭載サーバー「Sun Fire X4100」と「同X4200」も「性能と省電力の面でインテル製プロセサ搭載機よりも高く評価され、引き合いが多い」(佐藤部長)という。

 主な顧客は、電力問題や処理能力で悩んでいるデータセンターだという。末次社長は、「いまは、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)やSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)など、サーバー・サイドの処理をネットワーク越しに多くの人が利用する“参加の時代”。データセンターの処理量は今後も増え続ける」と主張。さらに、「2CPU搭載のIAサーバーからのマイグレーションも狙う」(佐藤部長)。

 新機種の概要は以下の通り。(1)高さ4Uのきょう体に16コアまで搭載可能な「Sun Fire X4600」。価格は389万9000円(税別)~。(2)高さ4Uのきょう体に4コアまで搭載可能なX4100に、48台のシリアルATAハードディスクを接続した「Sun Fire X4500」。最大で24TBのデータを格納可能。価格は494万9000円(税別)~。(3)高さ19Uのシャーシに10台の8コア搭載サーバーを格納できるブレード・サーバー「Sun Blade 8000モジューラ・システム」。価格は316万3000円(税別)~。9月上旬から順次出荷する。