特別列車の車内で高速移動中のインターネット接続を実演
特別列車の車内で高速移動中のインターネット接続を実演
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無線LANが使えることを示す車内のステッカー
無線LANが使えることを示す車内のステッカー
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 つくばエクスプレス(秋葉原-つくば)を運営する首都圏新都市鉄道(東京・台東)は、開業1周年を迎える8月24日から、国内で初めて、列車内無線LANインターネット接続の商用サービスを開始する。7月25日午前に発表した。

 同社の高橋伸和社長は、「つくばエクスプレスはITの発信基地として発展している秋葉原と、研究施設が集中する柏、つくばを結ぶ『ITエクスプレス』。ITに関心が高い乗客が多く、列車内で自由にインターネットを使える環境が待ち望まれていた。新しいサービスによって、沿線のイメージアップと乗客の増加を図りたい」と話した。

 新サービスは、秋葉原・つくば間を直通する全列車で利用できる(当面は、区間運転列車の多くでは利用不可)。つくばエクスプレスは、JR東日本(常磐線)や高速バスと路線が並行している。つくばエクスプレス開業時に、JR東日本は増発や新型車両投入などの対抗措置を取った。つくばエクスプレスは、無線LANサービスを武器に乗客の囲い込みを狙う。

 商用サービスは当初、NTTドコモの公衆無線LANサービス「mopera U」「Mzone」の加入者向けに提供される。NTT東日本の「フレッツ・スポット」でも利用可能になる予定。携帯電話の数倍に当たる1.4Mbps程度の通信速度で接続できる。

 時速130キロメートルという高速で移動する列車内で外部に接続することは、技術的に容易ではない。つくばエクスプレスの仕組みでは、列車内と、列車・基地局間の両方に高速の無線LAN技術を採用。沿線に500メートル間隔で基地局を設置した。列車は500メートルを数十秒で通過するため、スムーズに利用する基地局の切り替えができるように、検証を重ねた。

 つくばエクスプレスは昨年7月から列車内無線LANインターネット接続の実証実験を展開し、4500人を超える利用があった。