米オラクルのディック・ウォルベン上級副社長
米オラクルのディック・ウォルベン上級副社長
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 日本オラクルと日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)は7月24日、中堅企業向けのERPパッケージ(統合業務パッケージ)の新製品と販売体制の強化を発表した。米オラクルで日本アプリケーション・ビジネスを担当するディック・ウォルベン上級副社長(写真)は、「ERPビジネスの拡大には中堅企業市場企業の開拓が必須。製品機能や価格だけでなく、顧客が望むことが実現できるようにすることが重要」と語る。これらにより、ライセンスやサポートなどを含め、「売り上げ100億円規模を目標とする」(OISの村上智 代表取締役)。

 新製品は「JD Edwards EnterpriseOne 8.12」。新たに営業支援アプリケーションとサービス管理アプリケーションを追加した。前者は、引き合いや商談などの営業案件を管理するためのもの。後者は、保守サービスの契約状況や問い合わせ受け付け、保守計画などの業務を管理する。また、オラクル製のデータベースやWebアプリケーション・サーバーなどのミドルウエア製品を同梱して提供する。これまで、ミドルウエア製品は別途購入する必要があった。

 さらに、パラメータ設定やハードウエア、導入サービスをパッケージ化した「JD Edwards EnterpriseOne Rapid Start」に、個別受注生産プロセス対応のものを追加した。あらかじめOISが設定したビジネス・プロセスのパラメータ設定を使うことで、導入期間とコストを削減することが可能になる。なお日本オラクルには、中堅企業向けに「Oracle E-Business Suite(EBS)」のテンプレートとして「Oracle NeO」がある。Oracle NeOは、特定の業種や業務に特化したテンプレートをパートナー企業が開発するものだが、Rapid Startは業務横断型のビジネス・プロセスを設定したものという違いがある。

 売上高100億円の製造業がRapid Startを利用して会計や生産管理、販売のモジュールを導入する場合の価格は7500万円。導入期間は最低21週間となる。Rapid Startを利用しない場合は、「価格、期間ともに約3倍程度となる」(村上 代表取締役)。

 販売体制の強化は、両社の営業人員の強化とパートナーの増強の二つからなる。日本オラクルとOISの両社で、中堅市場専任の営業部隊を設置。年内に現状の40人から70人に増強する。パートナー企業も、現状の約20社から40社へ増強する予定である。