米AMDは2006年7月24日(現地時間)、加ATI Technologiesを買収する計画を発表した(発表資料)。買収総額は約54億ドル。42億ドルを現金で、残りを自社の株式5700万株で支払う。
 発表では、グラフィックス、チップセット、家電におけるATIの強みを生かすことで強力な企業となると述べた。この結果、コマーシャルやモバイルコンピューティングに加え、成長著しい家電分野に注力するという。
 ATIはRadeonシリーズなどで有名なグラフィックスチップのほか、パソコン用のチップセットを開発している。自社でチップセットを製造していないAMDに対して、ライバルのインテルはCPUとチップセット、無線LANチップを組み合わせた「Centrino」や「Viiv」などのプラットフォームを積極的に投入してきた。
 ATIの買収により、今後はAMDもプラットフォーム戦略を打ち出すことが予想される。2007年には、差別化したソリューションの共同開発を望む顧客向けに、なんらかのプラットフォームを届けることを計画している。
 マイクロソフトのプラットフォーム&サービス部門の共同社長ジム・オールチン氏は、「Windows Vistaはグラフィックスの統合と性能の進化により、今までにないユーザー体験をもたらす。AMDとATIの統合が、Windows Vistaのユーザー体験をどれだけ高められるかという潜在能力に興奮している」というコメントを寄せた。