ウィルコムは法人向けの閉域型ネットワークサービス「Direct Access/IP-VPN」を8月1日に開始するのに伴い、中堅・中小企業市場の開拓に乗り出す。当初は直販形式が中心だが、段階的にパートナー企業との協業を拡大する。

 Direct Access/IP-VPNは、同社が6月に公表していたサービスコンセプト「WILLCOM Business Packege」で「タイプB」と呼んでいたもの。PHS端末または下り最大12Mビット/秒のADSL回線から、インターネットを介さずIP-VPN(仮想私設網)経由で、ユーザー企業のイントラネットへアクセスできるサービス。初期登録料は6万3000円。契約回線数は最低5からで、月額利用料は1つのIDにつき3150円。ただしIDが10以上の場合、1つのIDにつき2625円になる。

 同サービスでは、アッカ・ネットワークスがADSL回線やIP-VPNのネットワークインフラをウィルコムに提供。ウィルコムがPHSサービスと一括して提供する形態をとる。これとは別に、中堅・中小企業の業務システムを手掛けるパートナー企業が自社のソリューションと組み合わせて提供できるよう、近く協業体制を整える方針だ。

 またウィルコムは同時に、「タイプA」と呼んでいたASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスも「Access P-BERRY」の名称で商用化する。ウィルコムがExchange ServerをASPサービスとして提供する。PDA(携帯情報端末)型PHS「W-ZERO3」などの端末とインターネット経由で同期させ、電子メールやアドレス帳、予定表などのデータをいつでも最新の状態に保つ。グループで共有できる。こちらはウィルコムと直接契約するサービスだが、電話系システムに強いパートナーとの連携も検討している。