山梨県甲府市は、2009年度から稼動を予定している基幹系システムなどの包括アウトソーシング計画「こうふDO計画(案)」を公表した。10月1日に同計画の正式版を公表するとともに、プロポーザル方式での調達を開始するが、それに先駆けて7月25日から8月24日までパブリックコメントを募集する(パブリックコメント募集のページはこちら)

 この「こうふDO計画」(DO計画のDOは、ダウンサイジング、アウトソーシングの英文の頭文字を並べたもの)は、現在使用しているレガシーシステムを廃棄して、新たに事業者から業務関連サービスを購入する「包括アウトソーシング形式」に変更しようというもの。基幹業務系、内部情報系、インフラ系の3分野で、それぞれ事業者を選定する。システム資産は保有せず、業務サービスや関連するサービス全てが調達対象となる。今年度中に仕様の決定や事業者の選定・契約を行い、来年度から構築作業に取りかかる計画である。アウトソーシングの契約期間は、2009年度から2018年度までの10年間という長期になる。
 
 甲府市では、民間のノウハウを生かすPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)の手法を取り入れて、事業者と契約を結ぶ予定。業績連動支払い、サービス品質保証、性能発注方式などを取り入れたい意向だ。サービス品質保証としてSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を締結し、それを業者側が満たせなかった場合には、支払う対価も減額する条項や、3年に1度サービス対価を見直すなどの条項も、契約に盛り込むとしている。

 甲府DO計画の開始に伴い、CIO(現在は助役が兼任)を補佐する目的で「こうふPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」を設置。ITプロジェクトのマネジメントや、IT関連の調達における事業者選定などを遂行する。正式には2007年度からの稼動になるが、これでは事業者選定に間に合わないため、今年8月下旬に審査委員会を組織して、それをそのままPMO組織に“昇格”させる形をとる。メンバーは5人で、市から助役と部長クラス2人の3人が参加するほか、外部から大学教授などの識者2人を招く。(本間 康裕)