米Azimuth SystemesのACE 400NB
米Azimuth SystemesのACE 400NB
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米VeriWaveのWaveTest
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 7月19日~21日に開催中のWIRELESS JAPAN 2006の会場には数々の無線技術や製品以外が並ぶ。これら以外にも無線LANチップの性能を評価するための試験装置がいくつかデモを披露している。これらは主に無線LANチップ・ベンダーや機器ベンダー向け。そこで,一般ユーザーが普段あまり目にする機会がない試験装置に注目してみた。

 目を引くのが,現在標準化作業が進行中のIEEE802.11nに対応する試験装置「ACE 400NB」である。ACE 400NBは米Azimuth Systemesが開発したチャネル・エミュレーターで,販売代理店である東陽テクニカのブースに展示されている。ACE 400NBは,11nが規定しているMIMO(multiple input multiple output)対応の無線LANチップの性能を測定できるのが特徴だ。MIMOは複数のアンテナでデータを送受信する技術である。

 測定時はちょっと意外な方法を用いる。無線機器の測定をするにもかかわらず,アクセス・ポイントと無線LANクライアントのアンテナ間を有線で接続する。有線で接続した上で,反射の影響などさまざまな無線環境を模擬するのだ。また,アクセス・ポイントと無線LANクライアントは外部の電波干渉を避けるため,シールド・ボックスに入れる。アンテナ間を有線で接続し,機材をシールド・ボックスに入れることで,周囲の無線環境に影響されない再現性のある試験ができるというわけだ。価格はシールド・ボックスとチャネル・エミュレータ,専用の操作用パソコンがセットで3000万円弱である。

 このほか,アルチザネットワークスのブースでは,IEEE802.11.2という無線LANのベンチマーク規格に準拠した試験装置「WaveTest」を展示している。WaveTestは米VeriWaveが開発した試験装置で,遅延,クライアントの最大接続数,転送レート,パケット損失,スループットを測定できる。対応する無線LAN規格はIEEE802.11a/b/gである。

 こちらもアンテナ間を有線で接続して測定するのを推奨するが,無線で接続して測定することも可能。シールド・ボックスは付属していない。WaveTestは複数のブレードで構成され,ブレード1枚当たり500台の無線LANクライアントを模擬できる。ブレードは機種によって最大9枚装着できるものと2枚装着できるものがある。価格は構成によって変わるが,最小構成で1000万程度になる。