中央手前に2台並ぶのがVoiceWay。奥がウィルコムのPHS基地局。
中央手前に2台並ぶのがVoiceWay。奥がウィルコムのPHS基地局。
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 東京ビッグサイトで開催中のWIRELESS JAPAN 2006のNECブースに,一風変わったPHSシステムが展示してある。社内のPBX配下にある固定電話機を,PHSの音声定額サービスの対象にする「音声定額 on PBX」と呼ぶシステムである。NECマグナスコミュニケーションズが提供する。

 ウィルコムのPHSを利用して音声定額の料金プラン「ウィルコム定額プラン」に加入すると,ウィルコムのPHS同士の通話は月額基本料金だけの定額で済む。PHS同士ならば,全国どこにいても内線電話のように無料で通話ができるわけだ。ところが,そのPHSからオフィスのスタッフに電話をかけると,定額対象から外れて通話料がかかる。その通話料を不要にするシステムが音声定額 on PBXである。

 システムは,まず社内のPBXに「VoiceWay」と呼ぶPHS端末を接続する。さらに社内のVoiceWay設置場所近くに,ウィルコムのPHS基地局を設置する。PHS網からの呼はいったん社内設置のPHS基地局で無線化され,それをVoiceWayがPHS端末として受ける格好だ。VoiceWayと固定型の内線電話機の間はPBXが中継する。

 この設備を整えることで,PBX配下の電話機が「ウィルコムのPHS」として発着信できるようになる。VoiceWayをウィルコム定額プランで契約すれば,外出中の社員が持つPHS端末とPBX配下の電話機間の通話をPHSの定額料金に含められるようになる。同社の説明員は「営業スタッフからオフィスへの通話が多いような業態では,通話料金の大幅な節約が可能になる」と説明する。

 システム自体は,すでに提供中で納入実績もある。提供元のNECマグナスコミュニケーションズが展示会でデモを公開するのは初めてという。