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 NEC取締役 執行役員専務の瀧澤三郎氏は7月19日、都内で開催された「IT Japan 2006」で講演し、次世代企業システムは、普及が見込まれるNGN(次世代ネットワーク)を見据えたものにしなければならないとの考えを示した。また次世代企業システムを通じて実現すべき四つの業務改革について説明した。

 業務改革の一つ目は「ワークスタイル改革」である。瀧澤氏は、現在の企業における課題としてホワイトカラーの生産性向上があると指摘。携帯電話と連携したIP電話システムを採用するなどしてホワイトカラー働き方を変えることで、生産性向上が実現できるとする。

 二つ目の改革は「情報基盤改革」だ。これまで企業が利用してきた基幹システムなどの情報は、主に生産や販売などの業務活動の結果を蓄積したものだった。しかし今や、「おサイフケータイ」などで用いている非接触IC「FeliCa」や、RFID、ETC、監視カメラなどを通じてこれまでであれば不可能であったような情報を収集することが可能になっている。こうした情報をNGNを活用して積極的に収集して、戦略的に活用する。

 三つ目は「システム基盤改革」。NGNの普及に伴い、サーバーやストレージなどのシステム基盤について集中させるか分散させるか、改めて見直すことが可能になる。一般に、サーバーやストレージは一カ所にあった方が運用の手間やコストを削減できる。例えばネットワークが十分に高速なら、必ずしも各拠点ごとにサーバーなどを置く必要もなくなる。

 四つ目は「マネジメントスタイル改革」。瀧澤氏は、従来の企業の経営スタイルを、資材調達から生産、営業、物流、サービスまで一社ですべて実施する「自己完結型企業」だと定義する。これを今後は、各企業が業務を分担し、これを互いにネットワークを通じて機動的に提供し合う、「コラボレーション型経営」に変えていくべきだとする。こうすることで企業は、自社の強みの分野(コア・コンピタンス)に業務を集中させることができるという。