中国広東省深セン市に本社を置く華為技術有限公司(ファーウェイ・テクノロジーズ)が日本に進出する。イー・モバイルは7月19日,計画している携帯電話サービスの通信機器サプライヤーに,華為技術を追加したと発表した。

 華為技術は昨年11月に日本法人「華為技術日本」を設立。日本市場への本格的な取り組みを始めていた。イー・モバイルへの機器提供が日本での初事業になるという。

 華為技術は中国最大の通信機器メーカーで,“中国のシスコ”の異名をとる。世界的に見ても,29の通信事業者へW-CDMAの機器を提供するなど,近年存在感を高めている。英国の通信事業者BTが進めている固定電話網のIP化計画「21世紀ネットワーク計画」のサプライヤーにも,米シスコシステムズや富士通などとともに選ばれた。

 イー・モバイルが華為技術から調達するのは,札幌市や仙台市などに設置予定であるW-CDMAのHSDPA版の基地局。イー・モバイルは「華為技術は他社が対応してくれないことにも応じてくれる。また,2万人の研究開発エンジニアを擁する点も評価した」(イー・モバイルの親会社,イー・アクセス広報)と選定理由を説明する。

 なお国内では華為技術と米スリーコムの合弁会社で,ルーターやスイッチなどの開発・販売に特化するファーウェイスリーコムが既に進出している。