富士通は7月19日、インテルが同日発表したばかりのデュアルコア版Itanium2プロセッサ(開発コード名Montecito)を搭載するLinux/Windowsサーバー「PRIMEQUEST 500シリーズ」の販売を開始した。8月31日に出荷を開始し、販売目標を2007年度末までに2000台と掲げる。ERP(統合基幹業務システム)などの大規模データベースシステムやメインフレームからのリプレース、科学技術計算システムなどの市場を狙う。

 富士通の河部本 章サーバシステム事業本部本部長代理は、「従来機のPRIMEQUEST 400シリーズに比べ、2~2.5倍のシステム性能を実現した」という。また、これまでパーティショニングはシステムボード単位(4CPU)でしかできなかったが、500シリーズでは2CPUごとにできるようにするなど仮想化の機能を強化した。

 500シリーズは3つのモデルがある。動作周波数1.42G/1.6GHzのItanium2を最大8CPU(16コア)搭載可能な「PRIMEQUEST 520」、同じく最大16CPU(32コア)の「同 540」、最大32CPU(64コア)の「同 580」である。動作OSはRedHat Enterprise Linux AS4、SUSE Linux Enterprise Server9/10、Windows Server 2003。SUSE Linux ES10版だけは9月30日に出荷する。

 価格は520が520万円から、540が2180万円から、580が4180万円からとなっている。PRIMEQUESTシリーズは世界中で100台以上の導入実績があり、そのうち8割を国内で販売している。国内では、サークルKサンクスや静岡銀行などが採用した。商談のうち3割が他社システムからのリプレースという。

 同社は、Linux/Windowsサーバー市場を基幹系システム向けのPRIMEQUESTと、低価格市場向けのPCサーバー「PRIMERGY」の両輪で伸ばしていく。山中明経営執行役サーバシステム事業本部長は、「2000台は高すぎる目標ではない。海外事業では、米EDSとの提携が貢献している。国内でもシステムインテグレータとの提携を深め、パートナー販売をできる限り増やしたい」と語る。