左がHSUPA携帯電話を接続した「モバイル」端末,右が基地局側。相互にビデオ・ファイルをストリーミング再生。
左がHSUPA携帯電話を接続した「モバイル」端末,右が基地局側。相互にビデオ・ファイルをストリーミング再生。
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「UL」がアップリンクのスループット。仕様上の2.0Mbpsに近い数値を実現している。
「UL」がアップリンクのスループット。仕様上の2.0Mbpsに近い数値を実現している。
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 クアルコムは,東京ビッグサイトで開催中のWIRELESS JAPAN 2006で,2MbpsのHSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)システムのデモを実施している。HSUPAは,端末からネットワーク側への上り回線を高速化した携帯電話の無線データ通信方式。下りを高速化したHSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)と組み合わせることで,上り下りとも高速な無線データ通信が実現できる。

 自社のHSUPAチップセットを使った携帯電話を試作し,ブース内に設置した基地局との間でHSUPAのデータ通信を実現した。2Mbpsのデータ通信に成功したというリリースを米国時間の7月18日に出したばかりで,「デモを一般に公開するのは世界初」(同社の説明員)という。

 デモでは,HSUPA対応の携帯電話をつないだノート・パソコンと,ブース内に設置した基地局につないだノート・パソコンとの間で,相互にビデオ・ファイルをストリーミング再生させた。HSUPAでアップロードしたビデオ映像が途切れることなく,スムーズに表示されることを示した。さらにカメラで撮影したビデオ会議の映像もやり取りし,HSUPAの能力を実体験できる。

 デモ機のスループット表示では,HSUPAを使ったアップリンクで,実データの転送レートが最大1.6~1.7Mbps程度を示した。仕様上の2Mbpsに近い転送レートを実現している。今後,数カ月でHSUPAのアップリンク能力を5.76Mbpsまで高める計画だと言う。

■変更履歴
記事冒頭に「HSUPA」を「HSDPA」と記載した誤記がありました。HSUPAに訂正しました[2006/07/20 18:50]