ヤマハは7月14日,小規模事業所を中心に普及しているブロードバンド(BB)・ルーターNetVolanteシリーズの新機種「RT58i」を9月下旬に発売すると発表した。現行販売機種「RT57i」の基本機能を継承しつつ,アナログ電話対応や管理機能を強化して,使い勝手を向上させた。

 アナログ電話対応によって,一般電話とブロードバンドによるデータ通信がこのルーター1台で利用可能になった。WANポート経由ではADSLによるデータ通信が,LINEポート経由では一般電話機と一般電話網による通話が可能。VoIP電話機によるVoIPも利用できる。発信はIP電話サービスを使い,着信には幅広く普及している一般電話網を使うといった接続が容易に構成できる。

 管理機能の強化には,USBホスト機能の装備がある。USBメモリーをこのルーターに装着することで,ログをUSBメモリーに取得させたり,USBメモリーに記録した設定をルーターに反映させたり,ファームウエアを更新したりできる。これら管理作業は従来もPCを使えば可能だったが,USBメモリーだけで同様のことができる。

 このほか,ボタン操作でファームウエアをネットワーク経由でダウンロードする機能,SSHサーバー機能などを備える。Winnyの通信遮断機能を備えるファームウエアを秋ごろまでに提供したいという。

 現行機種「RT57i」の機能である,ISDN回線の利用,PPTPによるVPN(仮想プライベート・ネットワーク)機能,無料のダイナミックDNSである「ネットボランチDNSサービス」の利用なども可能である。

 NetVolanteシリーズは,SOHOや中小企業,営業拠点などで,手軽に利用できるBBルーターとして売れている。「RT57i」の販売も並行して続けるが,後継製品として「RT58i」を売り込む。オープン・プライスだが,市場価格として3万6800円ぐらいを予想している。