セゾン情報システムズが7月24日に開始するASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービス「Bulas Payslip Mobile」の引き合いが好調だ。同サービスは給与明細を通信会社各社の携帯電話で見られるようにするもので、紙の給与明細の印刷や配送、仕分けにかかるコストを削減する効果が期待できる。

 セゾン情報は7月3日に同サービスの開始を発表したが、当初想定していた流通・小売業界よりも、派遣会社からの反響が大きく、すでに大手派遣会社5社から引き合いが来ているという。「導入効果が大きいのは、多数の拠点に紙の給与明細を送付している企業。当社の試算では最大7割のコストをカットできる」とセゾン情報システム営業本部の菅野茂充Bulas営業部営業担当部長は説明する。多数のクライアント企業で働く社員に給与明細を届けなくてはならない派遣業にも、この条件は当てはまる。
 「Bulas」は勤怠管理や給与計算など、人事部門の業務をターゲットとしたアウトトーシングサービスで、利用企業は約130社。「毎月約13万人分の給与計算をしている」(同)。給与明細を電子データで見られるサービスとしては、2002年7月にBulasユーザー限定で開始した「Bulas Payslip」がすでにある。これは給与明細をPDFファイルの形でパソコンから見られるようにするものだが、導入実績は8社と少ない。1人1台のPC環境が必要なことから「本社では使えるが、現場の社員には使えない」とユーザーが断念するケースが多かった。

 こうした経験を踏まえて開発したのが今回のBulas Payslip Mobileという。さらにBulasユーザー以外でも単独で導入できるサービスとした。Bulasの新規顧客開拓の呼び水的な商材とするためである。Bulasユーザーでない場合、顧客企業からの給与データの受け取りには、セゾン情報のファイル転送ソフト「HULFT」を使うか、記録媒体でやりとりする。