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 トレンドマイクロは2006年7月13日、Webサイトの閲覧をコントロールする企業向けサーバーソフト「InterScan WebManager 5.0」を発表した。7月20日から出荷する。URLのリストを収集・分類している外部の会社から送られてくるURLデータベースを元に、社内のパソコンからWebサイトへのアクセスを制限することができる。特徴は、更新頻度の高いワンクリック詐欺サイトやフィッシングサイトへのアクセスを抑止できるよう、URLのリスト更新を一日1回から3回に増やしたこと。これに合わせて、InterScan WebManagerがURLを更新している最中はアクセス禁止サイトの閲覧を制限できなかった仕様を変えて、URLを更新していても閲覧を制限できるようにした。価格は、23万8000円(30アカウント)。

 ワンクリック詐欺とは、アダルトサイトなどで画像をクリックしたりすると、IPアドレスなどを表示して「あなたの個人情報を入手しました」などとして金銭を振り込ませる手口である。振り込め詐欺のネット版だと考えればよい。詐欺サイトへ誘導する手段として多いのは迷惑メールを通じてアクセスさせること。迷惑メールに記載するURLには、実は迷惑メールを受け取った人のメールアドレスを付加していることがある。このURLをクリックして詐欺サイトにアクセスしてしまうと、迷惑メールを受け取った人がアクセスしてきたと分かり、メールアドレスが有効であることが知られてしまうことになる。

 また、トレンドマイクロ 上級セキュリティエキスパートの黒木直樹氏は、「ワンクリックウエアと呼ぶ不正プログラムが社員のパソコンからメールアドレスなどの情報を盗んで詐欺サイトに送信するケースも増えている」と指摘する。トレンドマイクロは、詐欺サイトへのアクセスをInterScan WebManagerで制限することで、社員のメールアドレスなどの情報流出を防ぐのに役立つとしている。