会見する英SymbianのCEO,Nigel Clifford氏
会見する英SymbianのCEO,Nigel Clifford氏
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 英SymbianのCEO,Nigel Clifford氏は12日,都内で会見し,「Symbian OS搭載の携帯電話の市場は今,日本が世界で最も急成長している」と語った。

 2006年第1四半期に同OS搭載機は世界で約1170万台(前年同期比73%増)出荷されたが,このうち日本での出荷が26%を占め,シェアは急速に伸びている。5月末には日本での累積出荷台数が1000万台を超えた。

 Symbian OS搭載の携帯電話は,2004年に日本では富士通とノキアから6機種が発売されるにとどまっていたが,2005年にシャープ,Sony Ericsson,三菱電機などが加わり合計14機種が発売された。2006年は上半期だけですでに12機種が発売されている。

「日本は,先進的な機能を持つスマートフォンの普及率が世界的に見て圧倒的に高い。携帯電話の市場において次に何が起こるかを予測するとき,かつては米国の動きに注目していたが,現在は日本がイノベーションの中心にあり最も注目している」とClifford氏は語り,日本の通信事業者や携帯電話機メーカーなどと緊密に連携しながらOSの開発を進めていくと強調した。

 Symbianは同日,最新版の「Symbian OS ver.9.3」を発表した。今後,スマートフォンが業務用のモバイル機器として活用されることを想定し,セキュリティ機能を高めたという。例えばSymbianが事前に認証(署名)したアプリケーションでなければ実行できない認証システムを採用し,仮にユーザーが誤ってインストールしてしまった場合でも,不正なアプリケーションの実行を防げるようにした。「Symbian OS ver.9.3」搭載の携帯電話は,2007年に発売される予定である。