ソニーは2006年7月12日,ブルーレイディスク(BD)に対応した映像ソフトなどの制作需要の拡大に備えて,HD(高精細度)映像の撮影・編集からディスク化のためのオーサリング,ディスクの量産・パッケージングまでをグループ企業で一貫して請け負える体制を整え,受注を開始したと発表した。

 まずグループ企業のソニーPCLが,ブルーレイディスク専用オーサリングスタジオを開設し,同日に「BD-ROM」規格に準拠したオーサリング業務を開始した。具体的にはHD映像の撮影・編集や高品位マスター制作,メニュー・字幕制作,オーサリングに至るまでのサービスを提供する。さらに,ディスク製造からケースなどアクセサリーの制作,パッケージングまでの商品化に必要な工程の一貫受注体制を整備した。映像系ソフトについてはソニーPCLが,音楽系ソフトはソニー・ミュージックコミュニケーションズが窓口となってそれぞれ受注を開始した。

 一連の工程のうちのディスク量産業務は,ソニー・ミュージックマニュファクチュアリング(SMM)静岡が担当する。SMM静岡では,著作権保護規格「AACS」準拠の映画ソフトや,評価用ディスクの生産を開始した。月産30万枚の当初の生産能力を,2006年秋までに月産250万枚に増強する予定である。ソニーグループとしては年末までに,米国(月産500万枚)と欧州(月産250万枚)の製造拠点を合わせて,月産1000万枚の生産体制を整えるという。