NTTドコモは7月12日,世界131カ国での国際ローミングに対応した携帯電話「SIMPURE N」(NEC製)と「SIMPURE L」(LG電子製)が一部海外事業者との接続の認証で不具合が発生したために,販売を一時停止すると発表した。

 NTTドコモによると,不具合はSIMPURE NまたはLを米国やフランスなど23カ国で利用する際に発生するという。海外事業者のネットワークに接続しようとするとSIMPUREに搭載されたSIM(subscriber identity module)カードから発信される信号が認証されず,途中で不正な信号として処理されてSIMカードがロックされてしまう。この結果,音声もデータ通信も圏外状態で使用不可能になり,日本に帰ったあとも使用できないままになるという。NTTドコモは5月中旬に利用客から通報を受けて調査に着手し,6月下旬に不具合の現象を確認した。

 NTTドコモは,詳しい原因を現在調査中で具体的な海外事業者名は「現段階では公表できない」としている。不具合をソフトウエアの更新によって解消できることを確認しており,7月中旬から店頭の故障修理窓口でソフトウエアの更新を受け付ける。ソフトウエア更新は,同社ホームページと郵送で告知する。

 SIMPURE Lは4月14日に発売し4万4000台を販売,SIMPURE Nは4月25日に発売し8万5000台を販売している。7月下旬には,SIMPUREシリーズの販売を再開する予定。