NTT西日本は7月12日,フレッツ・オフィスやひかり電話などのIP系サービスの品質向上に向けた具体策を発表した。2月から4月にかけて多発した同サービスに対応したものだ。

 今回示された対策は大きく4種類。(1)開発体制の強化,(2)ネットワークの信頼性向上,(3)サービス復旧時間の短縮,(4)ユーザーへの情報提供の改善――である。

 (1)開発体制の強化では,サービスごとにプロジェクト・マネージャを置き,開発からサービス導入までを一貫して管理できる体制を整えた。設備を新設する場合,他のシステムとの競合や高負荷時の検証など,これまで以上に細かくテストする。

 (2)のネットワークの信頼性向上では,障害発生時の影響範囲を小さくする改良を施した。具体的には呼制御装置を増設し,収容する端末台数を減らすとともに,呼制御装置を束ねる中継系の装置を増設し,処理を分散させた。

 (3)サービス復旧時間の短縮での施策は二つある。まずは,ネットワーク障害時の復旧手順書や,復旧手順を自動化したツールなどを整備する。もう一つは,認証サーバーの負荷分散。これまでメインとバックアップで動かしていたサーバーを同時に動かすことで,障害時の切り替えを早くする。

 (4)のユーザーへの情報提供の改善では,リアルタイムで障害情報を提供する体制を整えるとともに,希望するユーザーには電子メールで情報提供する体制を整える。Webページは故障判明後,15分以内に初報を公開。30分ごと経過を報告する。また,サービス回復後15分以内に復旧を公開するという。