水冷式ワークステーション「Express5800/54Ca」
水冷式ワークステーション「Express5800/54Ca」
[画像のクリックで拡大表示]
新開発の水冷モジュール
新開発の水冷モジュール
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは7月12日,水冷式の静音ワークステーション「Express5800/54Ca」を発売した。7月20日に出荷開始する。価格は512Mバイトのメモリー,80GバイトのHDDなどを備える標準的な構成で31万2000円から。NECはこれまでにも水冷サーバーや水冷パソコンを発売しているが,水冷ワークステーションは同製品が業界初である。

 Express5800/54Caは新開発の水冷モジュールでCPUなどを冷却。きょう体内からCPU用のファンを取り除いたことで,35デシベル以下の静音性を実現した。35デシベルは「ささやき声」程度の音であるという。

 きょう体内には,水冷モジュールや電源などを冷却するために4個のファン(ファン搭載のグラフィックス・アクセラレータを使う場合は計5個のファン)を備えるが,大型で低速回転のファンを採用しているので,騒音を発しない。また,NECは水冷モジュールの小型化に成功。きょう体のサイズをマイクロタワー型にまで小さくできた。

 同製品はCPUにPentium 4,グラフィックス・アクセラレータに米NVIDIAの「Quadro」シリーズ,OSにWindows XP Professionalを搭載する。CPUは「将来,『CoreDuo』の採用も視野に入れている」(NECの百瀬裕也・第二コンピュータ事業本部副事業本部長)。CoreDuoは米インテルのマルチコアCPUである。

 現在,国内のワークステーション市場のシェアはデルなどが上位を占めているが,百瀬副事業本部長は「日本のオフィス環境に合った製品を開発できるのは外資系メーカーではなく,我々のような日本メーカー」と強調。狭いオフィスに適した同製品の販売などで,今年度,ワークステーション全体で7万台の販売を狙う。