TODO君の画面。工事材料の必要数や配送日などを指定して発注する
TODO君の画面。工事材料の必要数や配送日などを指定して発注する
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 東京ガスは2006年5月に、ガス工事の施工会社向け工事材料発注システム「TODO君(とどくん)」を稼働させた。約1000社ある「施工会社」がガス管などの工事材料を発注する際、これまではファクスなどを使っていたが、今後はTODO君のウェブ画面から発注する。

 TODO君の画面上で即時に在庫・納期を確認できるようにした。かさばる工事材料を長く保管したくない施工会社のために、1カ月先までの工事材料を予約できる機能も付けた。

 TODO君は、2004年から継続している物流改革プロジェクトの一翼を担う。ガス業界では、「最近は(電力会社の)『オール電化』との厳しい競争がある。メーカーから施工会社までを巻き込んで、物流網全体の効率化を狙った」(資材部物流改革プロジェクトグループの柳沢伸行・副部長)という。

 今後、TODO君の利用を定着させながら、工事会社も巻き込んで物流の最適化を進める。最前線の施工会社は、中間の「工事会社」を通じて、東京ガスから工事材料を調達している。これまで、物流拠点は150社ある工事会社が運営。物流拠点は250カ所もあり、効率化に限界があった。ある施工会社の近所に工事会社A社の倉庫があるのに、従来からの系列関係のために、わざわざ離れた工事会社B社まで工事材料を取りに行くケースもあった。

 今回のTODO君の導入によって、系列間の受注情報の壁をなくすとともに、施工会社は系列によらず近くにある工事会社の倉庫に工事材料を取りに行けるように取引制度を変更した。工事会社の物流拠点を250カ所から半減させつつ、施工会社はおおむね車で30分以内に物流拠点に工事材料を取りに行けるように配置する。こうした取り組みによって、年間10億円超のコスト削減、20%程度の工事材料在庫削減を見込む。

 工事材料の需要は、マンションの新築など各地の事情によって変動する。TODO君の導入により、東京ガスは精度の高い需要情報を得られるようになった。この情報をガス管などのメーカーに提供して計画生産を促し、調達価格を数%削減することも狙っている。