中国では現在、初心者や上級者といったレベルを問わず、パソコンユーザーの多くが、オンラインの音楽を楽しんでいる。百度、Yahoo!中国、新浪、捜狐、網易など、著名なポータルサイトのほとんどすべてが、オンラインでの音楽配信や、音楽ファイルへリンク作成などをしているし、個人のサイトでも音楽を配信しているところがある。さまざまなコンテンツが、多くのサイトから配信されているのだが、これらのコンテンツには、著作権上、合法のものもあれば、非合法のものもあるのが現状だ。

 実際には、中国国内でネットワーク音楽配信ビジネスを行うには、運営企業は中国政府文化部から発行される「網絡文化経営許可証」が必要になる。これは2003年7月に施行された「互連網文化管理暫行規定」の中に書かれているものだ。

 このライセンス発行には2つの大きな意味がある。1つは許可証を必要とすることで、著作権上問題のあるコンテンツを配信するような違法サイトを取り締まること。もう1つは、サイトが配信する前に中国政府文化部が内容をチェックできるということ。中国政府は外国のさまざまな音楽が配信されることに神経をとがらせているのである。

 許可証が必要になってから3年経っているが、筆者自身はそれ以前と状況は変わっていないように感じている。著作権上問題のあるコンテンツや外国の音楽もサイトで配信されているのだ。しかし、文化部の上層部が最近あらためて、合法的なオンライン音楽配信を何度も訴えていることから、今後配信サイトや、コンテンツへの取り締まりが強化されるかもしれない。

 互連網文化管理暫行規定によると、処罰される場合、最高3万元(45万円弱)の罰金や、網絡文化経営許可証の剥奪などが行われる。