日本IBMは7月7日、データベース・ソフトの新版「DB2 9(開発コード名はViper)」を発表した。4年ぶりのメジャーバージョンアップとなる。主な特徴は、従来のリレーショナル・データベース(RDB)に加え、XMLデータベースを管理できるようにしたことだ。

 「今後、基幹システムでXMLデータを利用することは一般的になる。XMLとRDBの両方を管理できるDB2 9で、オラクルなど他社が握っているデータベース市場を奪いたい」。同社のソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 BI/CM営業部の森英人部長はこう語る。

 DB2 9は、XMLデータを管理するために、ツリー形式でデータを格納することができる。従来型の表形式のデータ構造とは別の領域に格納する。「データ領域を作成する際に、データ型をXML型に設定しておくだけで、ツリー形式のデータ構造となる。XMLのデータ構造はあらかじめ固定せず、運用中にも変更することができる」(同社ソフトウェア事業 ソフトウェア テクニカル・セールス&サービスの菅原香代子Distinguished Engineer)。

 これまでDB2でXMLデータを扱うには、ツリー形式で表現されるXMLデータを分解して表形式にマッピングして格納したり、XMLデータをそのままテキスト形式で表の一つの列に格納したりする方式を用いていた。しかし、前者の方式ではXMLのデータ構造が変更されるたびにマッピングし直す必要があったり、後者の方式では常に全件検索となるため性能的に課題があった。DB2 9では、ツリー形式のままで格納するため、データ構造を変更しても影響を受けない。また、ディスクに格納する際、あらかじめツリー形式に展開しているため、データを呼び出す速度の劣化を防ぐことができる。

 出荷開始は9月22日(同社のWebサイトからのダウンロードは7月28日)に開始する。価格は、DB2 Enterprise Server Editionが1CPU当たり415万円(税別)である。