米ハイペリオン CTO(最高技術責任者)のジョン・コプキ氏
米ハイペリオン CTO(最高技術責任者)のジョン・コプキ氏
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 「米SOX法(企業改革法)に対応した米国企業にヒアリングした結果分かったのは、対応が持続できていない企業が多い、ということだ」。BI(ビジネス・インテリジェンス)ソフト・ベンダーの米ハイペリオンでCTO(最高技術責任者)を務めるジョン・コプキ氏は、こう指摘する。「内部統制監査を乗り越えることだけを考えて、その後のことを考えなかったのが原因だ」(同氏)。

 同氏は、「破たん理由で最も多かったのは、人件費を出し続けられなかったこと」と続ける。「SOX法対応の初年度、多くの企業は人手でSOX法へ対応しようとした。2年目からは人件費がかかり過ぎたため、同じことが続けられなかった」。

 では、どうすべきなのか。コプキ氏は、「気をつけるべき点は二つある」と語る。「一つは、コンプライアンス(法令順守)対応プロジェクトであっても、業務システムを構築する通常のプロジェクトと同様に、生産性や効率性を追求すること。もう一つは、法律ができたから対応するというのではなく、その対応策が同時に本業に役立たつようにすることだ」。

 その観点に立って、「例えば、(同社が提供する連結会計ソフト)『Hyperion Financial Management』を導入すれば、SOX法への対応で求められる財務データの正確性を効率的に証明すること同時に、連結決算の早期化といったSOX法対応以外の効果も得ることができる」と自社の製品の優位性を強調する。

 日本企業が、いわゆる「日本版SOX法」へ本格的に対応していくのはこれから。コプキ氏は、「日本企業は米国企業のこうした経験談を生かすべき。業務効率化を同時に達成するなど、コンプライアンスにとどまらない対応を考えてほしい。幸い時間的な余裕はまだあるはず」と語った。