海上空港の埋め立て工事や港湾施設の整備などを手掛ける東洋建設は7月5日、インターネットVPNによって、全国約250カ所の作業所を結ぶネットワークを構築したことを発表した。通信費や運用コストの削減、作業所の移設の簡略化が目的だ。構築は同社のシステム部とNECネクサソリューションズが担当し、NECネクサのマネージド型インターネットVPNサービス「Clovernet」を利用した。

 従来のネットワークは、ISDNが主体だった。しかし、「電子納品書やCADデータ、画像データなどが増え、高速ネットワークの必要性が高まってきた」(東洋建設の広報)。最近では、ADSLやBフレッツなどを導入して、インターネットでデータを送受信する現場も作業所も出てきたが、そのままではセキュリティ面で難がある。そこで、全面的にインターネットVPNに移行し、ネットワークの高速化と信頼性確保の両方を実現した。

 ネットワークの運用や保守は、NECネクサが24時間365日体制で対応する。東洋建設では、作業所の移設が頻繁に行われているという。従来は、その都度、機器の設定などが必要だった。新しいネットワークでは、現場にルーターを設置さえすれば、設定はNECネクサがリモートから実施する。

 東洋建設は新ネットワークの構築と同時に、各拠点に散在するメール・サーバーやWebサーバー、ファイル・サーバーをNECネクサのデータセンターに集約した。サーバー・メンテナンスの運用負荷の軽減が狙いだ。データセンターとClovernetの間は、USENの100Mビット/秒の回線を7本利用して接続する。