北海道北見市は4日、行政情報システムの再構築に向けた企画提案の公募を開始した。同市では2012年までに、市のほぼすべてのシステムを再構築し、事務改善業務の効率化・コストの削減を目指す。その際、基幹系業務のシステム再構築に加え、ネットワークや端末の更新、職員のIT教育までも含んだ、包括的なアウトソーシングを視野に検討を進める。

 今回は再構築事業者選定に先だって、行政情報システムのあるべき姿(行政情報システム再構築基本計画)を策定するための事業者を募集する。募集要項は同市のサイトで公開されている。

 北見市では、現行システムの運用コストについて2007年度から7年間で約30数億円と試算している。この金額の削減を図ると同時に、随意契約によるシステム運用を廃することで、コストの透明性を高めることも狙う。

 2008年度末に市で使用している汎用機のリース期限が切れることから、この時期に合わせて基幹業務の再構築を行うほか、他のシステムも再構築する。現在、同市では汎用機を利用した基幹系システムを運用する一方、各業務主管課が独自にオープン系のシステムを導入するケースが増えており、「基幹システムとの連携部分の開発に高いコストがかかるといった弊害も実際に出てきている」(同市IT推進課課)という。市の情報システム全体を見直すことで、こうした弊害をなくしていきたい意向だ。(黒田 隆明)