NTTグループや米Warner Bros. Entertainment,東宝など9社は2006年7月4日,デジタル記録された映画作品(デジタルシネマ)のネットワーク配給トライアル「4K Pure Cinema」の実施規模を拡大すると発表した。まず,トライアル(試行サービス)の参加企業として新たに米Paramount Pictures Corporationを加え,7月8日に公開開始のハリウッド映画「M:i:III」を映画館向けにデジタル配信する。

 また,デジタルシネマを上映可能な映画館として,これまでも試行サービスに参加してきた「シネマメディアージュ」,「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」,「ワーナー・マイカル・シネマズ板橋」,「TOHOシネマズ高槻」の4館に,新たに「TOHOシネマズなんば」を加えて,東京と大阪の合計5館で上映する。

 4K Pure Cinemaでは,2005年10月の開始からこれまでに「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」,「ダ・ヴィンチ・コード」など5作品をデジタル配給・上映してきた。試行サービスでは,NTT東西地域会社のデータセンターから光ネットワーク経由でデジタル化した高精細映画コンテンツを映画館に配信する。配信したコンテンツは,映画館のデジタルシネマ専用上映システムにいったん蓄積され,各館のスケジュールに沿って上映する。フィルム映画を配給する場合と比べて,「フィルム輸送の手間を省ける」,「短時間で上映内容を切り替えられる」,「画質の劣化がない」といった利点がある。