BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ツール大手の日本プロセスBRM(ビジネス・ルール・マネジメント)ツール大手のアイログは7月4日、両社製品を組み合わせて内部統制対応を支援することで協業すると発表した。両社の製品を使って業務の流れ(プロセス)やその遂行に必要な規則(ルール)を可視化・管理するとともに、プロセスおよびルールにのっとって既存のシステムを制御することで、内部統制の確立につなげるのが狙いだ。

 日本プロセスの宇野澤 庸弘サヴィオン ビジネスユニット事業統括本部長は、今回の協業について「金融業の審査や製造業の納期回答など部門をまたがる複雑な業務では、ビジネス・ルールの数が多くなり、BPMツールだけで管理するのは手間がかかりすぎる。BRMツールを併用できれば、ユーザー企業にとってメリットは大きい」と話す。日本プロセスのBPMツール「Savvion BusinessManager(SBM)」とアイログのBRMツール「ILOG JRules」は、両製品が公開するJavaのAPIを利用して連携させる。両社は、製品間連携の動作を検証済みだという。

 SBMとJRulesによるシステム構築作業は、両社のパートナー会社が担当する。料金として、両社製品のライセンス料5000万円前後に加えて、パートナーのコンサルティング料金がかかる。金融や製造、通信、自治体などの大規模案件を中心に、2010年3月までに10社への販売を目指す。

 BPMツールは、ビジネス・プロセスを定義し、その定義どおりにシステムを開発・実行させる仕組み。プロセスを図示するモデリング・ツール、モデルに沿って既存システムを呼び出して実行するプロセス・エンジンなどからなる。一方のBRMツールは、「販売店Aが商品Bを売ると、手数料を5%徴収する」といったルールを定義・管理する。「業務の規則をルールの形で管理しておけば、業務が追加・変更された場合でもシステムをすぐ対応できるようになる」と、アイログの和多田茂ゼネラルマネージャーは話す。