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「企業ホームページは21世紀のPOS」 2010年に向けたホンダのネット戦略が明らかに

川又 英紀=日経情報ストラテジー 2006/07/06 日経情報ストラテジー
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 現在、ホンダのホームページには月間で100万~170万人が訪れる。ホンダのホームページを管理している渡辺春樹・日本営業本部宣伝販促部ホームページ企画ブロックリーダーは、「毎月100万人規模の訪問者が来ると、企業ホームページはそれ自体がマスメディアになったと考えられる。同時に、企業が消費者に向けて発信する様々な広告の効果測定器としても使えるようになった」と打ち明ける。

 渡辺ブロックリーダーは「S2000」や「タイプR」といったスポーツカーの開発から、テレビなどの各種CM制作、そしてホームページの運営と、ホンダの様々な業務を歴任してきた人物だ。特に宣伝広告に詳しい渡辺リーダーは「月間100万人分の調査サンプルがメーカー自身の手の中にあるようになった」と見ている。

 そうした状況から、渡辺リーダーは「企業ホームページが21世紀のPOSになる」と、持論を展開する。

 これまで食品メーカーや日用品メーカーなどがテレビCMを流すと、その映像に顧客が反応して、翌日以降のスーパーやコンビニエンスストアのPOS(販売時点情報管理)データが跳ね上がったり、逆に期待されたほど反応がなかったりと、どちらにしても宣伝した商品が店頭のPOSを通過した結果で、テレビCMの効果をある程度測定できた。広告に触れた後の消費者の動きを、POS実績で把握したのである。

 それが現在のように、企業ホームページに月間100万人が来るようになると、テレビCMや各種広告を複数の場所にマルチ展開した結果としての消費者のその企業や商品に対する「興味の総和」が、「企業ホームページのアクセスの一時的な増加として如実に表れるようになってきた」(渡辺リーダー)。つまり、企業ホームページがすべての広告メディアの「ハブ」になり、関心を示した人が最後に店頭に向かう途中に、必ずインターネットの企業ホームページを通過していく状況になってきたということである。

 テレビCMとネットの連動でいえば、ホンダは分刻みでホームページのアクセス数の推移を追いかけており、通常時のアクセス数の推移とテレビCMを流した時の消費者の反応度合いを比較しながら、メーカーであるホンダ自身が広告発信後の消費者の行動を逐一把握しようとしている。

 今どきの感度が高い消費者は、テレビを見ながらパソコンも使い、テレビに流れた気になる映像のキーワードを自分で思い浮かべて、パソコンの検索サイトに「ホンダ」「ステップワゴン」「オデッセイ」といった具合に打ち込んで、瞬時にホンダのホームページに飛んでくるという。だから広告効果がメーカーにダイレクトに伝わる。渡辺リーダーが「企業ホームページはPOS」という所以である。

ネットが最大の情報源に

 興味深い調査結果がある。一般消費者を対象にしたホンダの最近の独自調べによれば、自動車を購入した人にとっての事前の情報源として、インターネットが最重要メディアになりつつあるということだ。

 通常、日本の消費者が車を買い換えるサイクルは平均で7年。この時間軸で見てみると、車を購入してから次の車に買い換えるまでの最初の6年半の間、消費者にとっての車に対する最大の情報源は1位がテレビ、2位がインターネットになっている。この時点ではまだ購入意欲は低い。

 重要なのはこの先だ。6年半が過ぎ、7年の買い替えサイクルまで半年を切った辺りから、消費者が本気で次の車の購入を考え始める。その途端、「情報源の1位はネットになり、テレビが2位に落ちる」(渡辺リーダー)。購入意欲が高い人にとっての第一の情報源は、もはやインターネットなのだ。

 しかも、こうした消費者の購入検討フェーズに応じて、ホームページ内のアクセス先が明らかに変わる。6年半以内の人は、車の内装やインテリアのページを眺めるのに対し、半年から3カ月を切って購入を真剣に考え始めると、アクセス先は「価格」のページに変わる。まずは自分の希望車種が「いくらぐらいか」を調べるわけだ。

 そして購入の直前になると、情報源の1位が販売店の営業担当者になり、2位はここでもインターネットになった。

 つまり、テレビCMよりも圧倒的にコストが安いインターネットを使って、ホンダはこれまでよりもはるかに効率的に、消費者に適確な情報を提供しようとしている。

 そこでホンダは2010年に向けて、次のようなシナリオを描く。

 ホンダの調査では、ホンダ車を買った人で、事前にインターネットを見て購入を検討した人の割合は全体の「59.3%」に達している。今どきもっと多いようにも思えるが、約60%というのが、複数の調査を実施して得られた共通の結果だという。

 さらに、ネットを見た59.3%の消費者のうち、62.1%の人がホンダのホームページを見てから購入したと回答している。ネット利用者全体の「36.9%(59.3×62.1)」に当たる。ホンダはこの36.9%という割合を、2010年までに「50%」まで高める計画だ。

 要約するとこうなる。現在ホンダの顧客のおよそ3人に1人が同社のホームページを見てからホンダ車を購入している。それを2010年までに、2人に1人まで引き上げたいということだ。最終目標は、ホンダ車を購入するすべての顧客がインターネットを見るようになり、そのなかでもホンダのホームページが一番強いポジションにいるということである。

 安定的にホンダファンとのリレーションシップを築き、継続的にホームページのアクセス数を伸ばす手段の1つとして、メールマガジンを一層強化する。現在ホンダのメルマガの種類は車種ごとに細かく分かれて合計55種類ある。総読者数は75万人に達する。最大の読者を集めているのが、「フィット」の14万人だ。

 これらのメルマガについては、2010年までにホンダ全体で100万人まで読者を増やす計画である。そのためには、車種ごとに最低でも数カ月に1度はメルマガを出し続けて読者の脱落を抑えつつ、ホンダファンが集う各種コミュニティなどを充実させていく。

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