日本テレコムとボーダフォンは7月3日,日本テレコム社内に「モバイル事業本部」を7月1日付けで新設したと発表した。ボーダフォンの法人営業本部に勤務する大半の社員は,本籍をボーダフォンに置いたまま,日本テレコムの新設部門に出向する。日本テレコムからも社員が異動する。新設部門全体の社員数規模は非公開。同事業本部長には,日本テレコムで電話サービス事業を統括する赤穂義雄音声事業副本部長が兼務する。

 同事業本部を日本テレコム内に新設した狙いは,既存の固定通信サービスの企業ユーザーに対して,ボーダフォンの携帯電話サービスを売り込むため。さらに,両社の法人向け営業ノウハウを持ち寄ることで,固定と携帯電話サービスを一体化したソリューションを提供する体制を整えた。

 日本テレコムの既存ユーザーが同時にボーダフォンの顧客でもあった場合,今後は日本テレコムが窓口となって対応する。ボーダフォンから出向する社員は,既設のボーダフォンの法人営業本部と兼務する。ボーダフォンに法人営業本部そのものは存続するため,ボーダフォンの法人ユーザーの対応窓口に変更はない。

 ソフトバンクは,3月17日に英ボーダフォン・グループとの合意に達した後,4月末には買収を完了。直後の5月の連休中には,ボーダフォン本社をソフトバンク・グループが集結する東京汐留ビルディングに移転させた。今回の法人向け営業部門の統合は,本社移転からわずか2カ月後のことだった。10月1日には,ボーダフォンからソフトバンクへの社名変更と経営統合を予定している。