ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)が,関連会社のSentivision(センティビジョン,本社:東京都品川区,社長:明瀬洋一氏)と共同開発したSTB(セットトップボックス)を使う動画配信サービスの開始に向けて,着々と準備を進めている。SCNはセンティビジョンと2006年4~6月に,13社のコンテンツホルダーの協力を得て,このSTBを使ったVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスの実証実験を実施した。SCNはこのSTBを組み込んだテレビ受像機やDVDプレーヤーなどを家電メーカー各社に製造してもらい,その購入者が同サービスを利用できる環境を整えようと考えている。SCNはVODサービスの開始時期を未定としているが,家電メーカーがSTBを組み込んだ製品を市場に投入するまでの準備期間を考慮すると,同サービスの開始時期は2007年ごろになりそうだ。

 センティビジョンと共同で開発したSTBは,電子マネー「Edy」の決済に対応するのが特徴である。既存のVODサービスでは,料金支払いなどのために原則的に会員登録をする必要があり,この手間がユーザーの増加を妨げる要因の一つになっている。SCNが開始予定のVODサービスは会員登録が不要なEdy決済への対応により,簡単に映像コンテンツを視聴できる。これにより,既存のVODサービスに比べて多くのユーザーを獲得できる可能性が高まりそうだ(詳細は日経ニューメディア2006年7月3日号に掲載)。