日立製作所は6月28日,日立グループのネットワーク事業の再編を発表した。複数のグループ企業が手掛けているネットワーク関連事業を整理・統合する。目的は,ネットワーク製品の開発体制やインテグレーション力を強化すること。通信事業者が構築を進める次世代ネットワーク(NGN)に対応するための布石である。ただし,今回の発表内容には日立製作所本体の通信関連事業や,NECとの合弁ではあるが日立製作所の出資比率が高いアラクサラネットワークスは含まれていない。

 今回の再編の対象は日立コミュニケーションテクノロジー(日立COM),日立インフォメーションテクノロジー(日立IT),日立ハイブリッドネットワーク(日立ハイブリッド)の3社。再編の内容は,(1)ネットワーク製品開発の日立COMへの移管と,(2)情報通信系エンジニアリング会社の設立の2点である。いずも実施は10月1日付け。

 まず,通信事業者向けの通信機器や企業向けのIP電話関連製品を手掛ける日立COMに,日立ITのIP電話システムなどコンピュータ系ネットワーク製品事業と日立ハイブリッドの映像系ネットワーク製品事業を移管する。これにより,通信事業者や企業ユーザーにNGN対応のプラットフォーム製品を一括して提供できる体制を整える。(2)では,日立ITと日立ハイブリッドを合併して新会社を設立。情報通信システム全般のエンジニアリングをワンストップで提供する。新社名や資本金,代表者などいずれも未定である。