総務省は2006年6月27日に,2010年度に向けたブロードバンド(高速大容量)通信サービスの全国整備の在り方を示した「次世代ブロードバンド戦略2010(案)」を公表した。また同日,この案に対して7月27日を期限とする意見募集を開始した。総務省は意見募集の結果を踏まえ,今夏にも戦略を確定するとしている。

 戦略案ではブロードバンドサービスの整備目標として,まず2008年度までにADSL(非対称デジタル加入者線)やFTTH(ファイバー・ツー・ザ・ホーム),CATVインターネットなどのブロードバンドサービスが利用できない市町村をなくすとした。そのうえで2010年度までに,ブロードバンドサービスを利用できない地域(世帯数)をゼロにするとしている。また2010年度までには,FTTHを中心とした上りの伝送速度が30Mb/s以上のブロードバンドサービスの世帯カバー率を90%以上に引き上げるとした。

 そのための具体的な方策としては,まず国が事業者間の公正競争条件の整備や技術の中立性の確保,事業者に対する投資インセンティブの付与を推進するとした。また,地方自治体が地域ごとのインフラ整備ロードマップを作成し,整備したインフラを通信事業者に開放することなどを盛り込んだ。通信事業者に対しては,こうした行政面での支援を活用しつつ,アプリケーション開発などの需要喚起への貢献を期待するとした。