中鉢良治社長(左)とハワード・ストリンガー会長(右)
中鉢良治社長(左)とハワード・ストリンガー会長(右)
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 ソニーのハワード・ストリンガー会長と中鉢良治社長は6月26日、本社で記者懇談会を開き、課題となっているエレクトロニクス事業の成長戦略などについて説明した。

 そのなかで中鉢社長は、今後のIT投資について言及。「ソフトウエア開発の技術者など、必要な人材がどこにいるのか、すぐに把握できる仕組みの構築を早期に目指したい」と語った。

 これまでソニーのIT投資は、SCM(サプライチェーン・マネジメント)や人事管理システムなど、経営効率を上げるための領域に重点を置いていた。ただし、部門や地域ごとにバラバラのシステムが動いており、まさに部分最適の状態だった。そこで同社は、これらを全体最適に変えるべく取り組んできた。

 中鉢社長は「まだ完璧ではない」としながらも、緊急の課題として掲げたソフトウエア開発を支援する仕組みを構築していきたいという。例えば、ソフトウエア開発の技術者を100人集めたい場合、新たに開発するシステムによって技術者をリストアップし、すぐに集められる体制を築く。現在は人づてに聞いているため、必要な人材の確保に1~2カ月かかることもあるという。

 IT投資の額は明らかにしなかったが、中鉢社長は「(IT投資を)本気になって思い切ってやっていきたい」と語った。