ITベンダー、コンサルティング企業を中心メンバーとする任意団体「オープン・スタンダード化支援コンソーシアム(OSAC)」(会長:寺島実郎三井物産戦略研究所所長)は、7月下旬、自治体のアプリケーション共同利用のための情報提供を行うポータルサイト「OSAC Tech Portal」を開設する。

  「OSAC Tech Portal」は現在のOSACのサイト(http://www.osac.info/)を入り口とし、三つの層で構成される。 まず、全体の入り口となる「コミュニケーションポータル」ではOSACに関する情報提供や電子掲示板の運営を実施する。

 「開発者向けポータル」では福岡県の「電子自治体共通化技術標準」の公開・配布許可を得てダウンロードできるようにする。また、同技術標準に則して開発されたシステムのバージョン管理を、オープンソースのプロジェクト管理ツール「GForge」を活用してスタートする。

 会員企業であるサン・マイクロシステムズの協力で「開発・検証環境」も提供する。ここでは福岡県の「電子自治体共通化技術標準」に則して開発された共通基盤環境を提供する。また、北海道が開発を進める共通基盤システム「HARP」のデモ環境提供に向け交渉中だ。さらに、両者の相互運用性の検証も進めていきたい意向だ。会員企業はここで実際の共同利用システムの検証を行うことができる。

 「コミュニケーションポータル」は一部コンテンツを除き、広くWeb上で情報を公開する。「開発者向けポータル」と「開発・検証環境」は、OSAC会員企業および、協力関係にある自治治体有志による団体「電子自治体アプリケーション・シェア推進協議会」(会長・宮城県。11自治体が参加)の会員自治体がアクセスできるようにする。

 また、OSACでは、今秋をメドに“福岡基盤”とHARPとの間での相互運用性を確保する方向で両者の調整を進める。この両者の相互運用性確保を前提に、全国地域情報化推進協会が提唱する「地域情報プラットフォーム」との連携を同協会に提言していくという。「基盤部分はできるだけ相互運用できるようにして、本来競争すべきところで自治体間競争をすることで地域も活性化する」という考えからだ。(黒田 隆明)

【修正履歴】
OSACより「HARPのデモ環境提供については現在交渉中の段階である」との申し入れがありました。これを受け、サブタイトルを「“福岡基盤”と北海道「HARP」の開発・検証環境を用意」から「“福岡基盤”と北海道「HARP」の開発・検証環境を用意へ」に、記事中で「ここでは福岡県の「電子自治体共通化技術標準」に則して開発された共通基盤環境や、北海道が開発を進める共通基盤システム「HARP」のデモ環境を提供する。さらに、両者の相互運用性の検証も進めていく。」とあった記述を「ここでは福岡県の「電子自治体共通化技術標準」に則して開発された共通基盤環境を提供する。また、北海道が開発を進める共通基盤システム「HARP」のデモ環境提供に向け交渉中だ。さらに、両者の相互運用性の検証も進めていきたい意向だ。」と変更しました。(2006年7月7日)