KDDIの小野寺正社長兼会長とBTグローバルサービスのアンディ・グリーン最高経営責任者
KDDIの小野寺正社長兼会長とBTグローバルサービスのアンディ・グリーン最高経営責任者
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 KDDIは6月25日、日本企業向けに国際ネットワークのアウトソーシング・サービスを提供する合弁会社を、英BTグループと設立することを明らかにした。欧州やアジアなど海外に進出する日本企業のネットワーク構築から運用までを、すべて請け負う。新会社は8月1日に設立予定。

 KDDIはこれまで、グローバルの回線提供サービスは提供していたものの、アウトソーシング・サービスは提供していなかった。KDDIの小野寺正社長兼会長は、「国際ネットワークをすべてアウトソーシングしている日本企業はほとんどない。しかし、国ごとに複数の通信事業者と契約したり、個別にネットワークを構築・運用したりする現状に、不満を持つ企業は多い。そのような企業のニーズに応える」と、設立の理由を説明する(写真右)。

 元々英BTグループは、世界160カ国でアウトソーシング・サービスを提供してきた実績がある。しかし「日本企業が求める要求は、米国企業ともそのほかのアジア企業とも異なり、日本におけるビジネスはそれほど拡大できていないのが実情だ。日本企業が本当に求めているのは、信頼できるパートナなのだと考え、KDDIとの合弁会社設立に踏み切った」(BTグローバルサービスのアンディ・グリーン最高経営責任者、写真左)。KDDIにとっても、BTのノウハウを生かせるという利点がある。

 新会社の社名は、「KDDI&BTソリューションズ」。資本金は約15億円で、KDDIと、BTグループの海外法人持株会社であるBTホールディングスが、50%ずつ出資する。代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)には、KDDIの舘野修氏、COO(最高執行責任者)にはBTジャパンのイアン・プルフォード氏が就任する。当初は100人程度の従業員数を予定している。

 KDDI&BTソリューションズは、主に日本企業の窓口を務める。現地での作業は、欧州では主にBTが、アジアではKDDIまたはBTが担当する。すでに日本大手企業との商談を進めており、「当面の顧客数は150社ほどとみている。国際ネットワーク・アウトソーシング市場は年間100億ドル程度だが、新会社は10億ドルの売り上げを目指す」(BTグローバルサービスのグリーンCEO)。