写真1 インテルの吉田和正代表取締役共同社長
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写真2 米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部のカーク・スカウゲン副社長
写真2 米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部のカーク・スカウゲン副社長
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 インテルは6月26日、サーバー向け64ビット・プロセサ「Xeon」の新ラインアップを発表した。「Woodcrest(開発コード名)」と呼ばれていたプロセサで、名称は従来通り「デュアルコア インテルXeonプロセッサー」。今回の新製品は型番が5100番台なので、「デュアルコア インテルXeonプロセッサー 5100番台」と呼ばれる。同日から注文を開始し、6月30日前後から出荷を開始する。

 今回投入するXeon 5100番台は動作周波数が1.6G~3GHz。動作周波数によって6モデルを用意した。いずれも一つのプロセサに、二つのコアを搭載している。2次キャッシュ・メモリーは4Mバイト。

 Xeon 5100番台は設計を一新した。具体的には従来の「Netburst」アーキテクチャから「Core」アーキテクチャへ刷新した。Coreアーキテクチャはもともとノート・パソコン向けに開発したアーキテクチャを発展させたもので、消費電力の低さが売りである。インテルの吉田和正代表取締役共同社長は「TCO(総所有コスト)の削減は、プロセサの性能だけでは成り立たない。電力効率向上も重要。今や消費電力は、投資効果を高める重要な一要素となっている。今回のCoreアーキテクチャはこれを実現するもの」と述べた(写真1)。

 米インテル デジタル・エンタープライズ事業本部のカーク・スカウゲン副社長は「新しいCoreアーキテクチャによって、性能を向上させつつ、消費電力を抑えることができた」として、現行のXeonに比べて全体性能で1.5~3倍、消費電力1ワット当たりの性能で2~3.5倍向上しているとのデータを示した。また、競合する米AMDのプロセサ「Opteron」との比較データも示した(写真2)。

 Coreアーキテクチャは複数の新技術を搭載している。まず、処理の最小の時間単位である1クロックで実行できる命令を増やす「ワイド・ダイナミック・エグゼキューション」を搭載し、全体的な性能向上を図った。また、メモリーの内容を先読みして効率化する「スマート・メモリー・アクセス」により、大量のメモリーを必要とするアプリケーションの性能を上げている。また、マルチメディアの命令処理や浮動小数点演算を高速化する「アドバンスト・デジタル・メディア・ブースト」も盛り込んだ。映像系や金融系のアプリケーションの処理で効果が出るという。複数コア間で共有するキャッシュ・メモリーを効率的に利用する「アドバンスド・スマート・キャッシュ」機構も組み込んでいる。