ソフトバンクは今夏,FTTR(fiber to the remote terminal)のトライアルを神奈川県下で実施することを明らかにした。一部報道にあった「光回線サービス割安に・既設電話線併用」をほぼ追認した。ただし現時点は,「トライアルの具体的な場所や,商用サービスの開始時期・価格は決まっていない」(ソフトバンク)としている。なお,ソフトバンクBBは2月にもFTTRの実験を実施している(関連記事)。

 FTTRとは,NTT局からユーザー最寄りの電柱までは光ファイバで伝送し,電柱からユーザー宅まではADSL同様に電話線(メタル線)を利用して伝送する方式。FTTRという名称は日本独自のもので,米国ではFTTN(fiber to the node)と呼ぶのが一般的。

 ソフトバンクがトライアルに踏み切る背景には,DSL技術について話し合う情報通信技術委員会(TTC)のスペクトル管理サブワーキング・グループ(干渉のルールなどを策定する)での合意がある。「(ADSL事業者やNTTなどと)関係者間で基本合意がなされたため」(ソフトバンク)としている。

 ソフトバンクによると,「ADSLの解約率は局舎から遠くなるほど高くなる傾向にある。FTTRはFTTHよりも導入が容易であり,こうした局舎から遠いユーザーにもメリットがある」としている。