NECは2006年6月23日に,UML2.0に対応したモデリング・ツール「SystemDirector Application Modeler UML Editor」(以下UML Editor)を無償提供すると発表した。UML Editorは,クラス図,ステートマシン図,シーケンス図などをビジュアルに記述できるEclipse用プラグイン。商用利用が可能で,本格的なソフト開発にも無償で活用できるのが特徴。7月31日からダウンロード提供を開始する。

 EclipseでUML図を記述できるフリーのプラグインには,EclipseUMLSDE for Eclipseなど定番と呼ばれるソフトがいくつかある。しかし,これらはライセンス上商用での利用は禁じられている。これに対してUML Editorは商用での利用に制限はない。作成した図をMicrosoft Officeソフトに容易に貼り込めるなど機能的に優位な点もある。最初のバージョンでは,クラス図,シーケンス図,ステートマシン図,アクティビティ図,ユースケース図,コンポジット構造図の6種類をサポートする。また,作成した図をほかのソフトと交換するための規約XMI 2.0に対応しており,同規約に対応する他ソフトとのデータ連携が可能である。

 NECはUML Editorと同時に,作成したUML図の検証を行う「SystemDirector Application Modeler Validator Level1」(3万円,税別),クラス図およびステートマシン図からC言語のソースコードを生成する「SystemDirector Application Modeler Generator Level1」(50万円,税別)も合わせて発表した。それぞれ7月31日に出荷を開始する。これにより,UML図作成,検証,コード生成という一連のソフト開発工程をサポートする。特に,国内で重要度が増している組み込み開発分野での利用を想定している。クラス図からC言語を生成する場合は,関連するデータ構造と関数をまとめた擬似的なクラスを生成する。これは組み込み開発の現場からの要求に応えたものだという。ステートマシン図も組み込み分野でよく使われるものであり,Cソースコードの生成機能により,開発効率を最大10倍向上できるとしている。今後,C++やJavaのジェネレータ提供も検討している。