東芝の藤井上席常務。「RD-A1の価格設定は悩んだが、HD DVDの普及については全然心配していない」と自信を示した
東芝の藤井上席常務。「RD-A1の価格設定は悩んだが、HD DVDの普及については全然心配していない」と自信を示した
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RD-A1の発売に合わせ、日立マクセルと三菱化学メディアなどが記録型HD DVDメディアを発売する
RD-A1の発売に合わせ、日立マクセルと三菱化学メディアなどが記録型HD DVDメディアを発売する
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 東芝 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は、次世代光ディスクのHD DVDに対応したレコーダーについて、2006年内に普及価格帯の製品を出す考えのないことを明らかにした。2006年6月22日に開催した、HD DVDレコーダー「RD-A1」(発表資料)の発表会で語った(デジタルARENA 関連記事Tech-On! 関連記事1同 関連記事2)。

 RD-A1はマニア層に向けた商品で、1TBのHDDを内蔵するほか、480i、480p、1080iなどの映像を1080pに変換する補間回路を備えるなど、「Blu-ray Disc陣営から一切ケチが付かないような製品を技術者に作らせた」(藤井氏)。一方で価格が39万8000円と一般消費者には手の届かない設定となっている。

 藤井氏は「価格設定には相当の議論があり、悩みのタネでもあった」とする一方で、2006年の年末商戦に向けて、「RD-A1を買ったユーザーが後で怒るような価格帯の製品を出すことはない。逆にこれを上回る製品を投入することもない」と語った。それ以降の将来的な戦略については、「2007年~2008年には既存のDVDレコーダーから急速に切り替えていきたい。製品ラインアップも、松竹梅を取りそろえ消費者が選択できるようにしたい」(藤井氏)と述べ、HD DVDレコーダーの本格的な製品投入は2007年以降になるとの考えを示した。

HD DVDプレーヤーは年末商戦に追加投入へ

 同社はRD-A1を国内でのみ販売する予定。光ディスク市場に占めるプレーヤーの比率が高い欧米の事情に合わせ、当面はHD DVDプレーヤーを主軸として次世代光ディスクの普及を進めていく考えだ。

 日本で2006年3月31日、北米では4月に発売したHD DVDプレーヤー(関連記事)については、「日本ではあまり出荷していないが、北米では2万台を出荷済み」(同社 デジタルメディアネットワーク社 デジタルAV事業部 DAV商品企画部 部長の伊藤眞一氏)。今後についても「2006年度中に60万~70万台という出荷目標は変えていないし、むしろ上方修正する可能性もある」(藤井氏)と強気の姿勢を示した。また、「プレイステーション 3の発売日と価格が決まったことは、当然意識している(伊藤氏)と述べ、Blu-ray Disc陣営への対抗上、米国のホリデーシーズンや日本の年末商戦に合わせ、HD DVDプレーヤーの追加機種を投入する考えを示唆した。