エアーは,送受信される電子メールのすべてをアーカイブ保存するゲートウエイ「WISE Audit」のオプションとして,Microsoft Exchange Serverのメールを取得する機能を追加した。オプション価格は40万円。WISE Audit自身の価格は135万円から。

 WISE Auditは,メールのフィルタリングとアーカイブ保存を目的としたメール・サーバー・アプライアンスである。社内LAN上で,メール中継に使われるSMTPの通り道に設置することで,社員が送受信するメールのすべてを対象に,フィルタリングとアーカイブを実施する。日本版SOX法など,メールのアーカイブ保存の需要に応えるものだ。

 今回出荷するオプションは,Exchange Serverを使う企業向けに,社員同士の間でExchnage Serverを経由してやり取りされるメールをアーカイブ対象にするための追加機能である。大きく2つの機能で構成する。(1)POP3クライアント機能により,WISE AuditからExchange Serverに対して明示的にメールを取りに行く機能がその1つ。(2)もう1つは,一旦Exchange Serverを経由して取得したメールであっても,社員間のメールを社員間のメールであると正しく認識するために,エンベローブ情報を元に戻す機能である。

 同オプションを使うための前提条件として,Exchange Server側に設定が必要になる。具体的には,ジャーナリング機能を作動させて,社員が送受信するメールのコピーをジャーナル用アカウントに集約させる。次に,POP3サーバー機能を作動させ,WISE Auditからジャーナル用アカウントのメール・ボックスに蓄積されたメールをPOP3で取得できるようにしておく。ジャーナリング機能はジャーナルする前のメールを添付ファイルの形で保持するが,WISE Auditがこれを元に戻してアーカイブする仕組み。

 POP3でジャーナルを取得可能なグループウエアであれば,今回のExchange Server向けオプションと同様の方法でアーカイブが可能になる。同社は,Lotus Notes用のオプションも出荷を予定している。なお,すでにOracle Collaboration Sutite(OCS)用のオプションを40万円で出荷済みだが,OCSはWISE Auditにメールを渡す運用が可能であり,今回のPOP3とは方式が異なる。