BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ソフト大手のIDSシェアー・ジャパン(東京都千代田区、力 正俊社長)は6月20日、内部監査支援ソフトの新版「ARIS Audit Manager 3.0日本語版」の出荷を開始した。監査作業を支援する機能を備えており、SOX法対応では、整備した内部統制の仕組みに沿って業務が運用されているかを、社内外の監査担当者が評価し、改善する作業を支援する。
 
 具体的には、策定した統制項目に沿って評価指示書を自動で生成する機能のほか、現場部門への評価作業の指示や現場部門からの報告、修正指示といった作業の流れを円滑にするためのワークフロー機能を持つ。監査担当者は評価作業の進み具合を管理することが可能だ。

 Audit Managerはすでに米国SOX法に対応した欧米や日本企業で多数の実績がある。新版の特徴は、評価で発見された内部統制上の不備を管理する機能を付与したことだ。大川原文明BPMコンサルティング事業部ディレクターは、「どのような不備があって、改善の責任者が誰なのか、改善計画や改善状況といったことが把握できるようになる」という。

 Audit Managerの価格は30ユーザーの場合で360万円から。コンサルタント費用などが別途必要となる。

 SOX法対応は、統制範囲の策定、統制の仕組みの文書化、整備状況と運用状況の評価、同じく改善・維持といった進め方で実施する。同社は4月に、文書化を支援する機能を持つ「ARIS Business Architect 7.01日本語版」を出荷しており、Audit ManagerはBusiness Architectで策定した文書化データと連携できる。

 力社長は「900社以上からARISシリーズへの問い合わせがあった。日本版SOX法に対応する必要がある企業、グループ企業を含め数万社のうち、初年度で50%、来年には80%に採用してもらう」という目標を掲げる。現在、ユーザーでもある日立情報システムズなどをパートナーとして提供していくほか、他の大手システムインテグレータとの提携を進めている。