センドメールは,送信ドメイン認証方式の最新版「DKIM」(Domain-Keys Identified Mail)を実装したメール・サーバー・ソフト「Mailstream Switch MTA 3.2」を,2006年6月30日に出荷する。アクセス制御やスパム対策などのセキュリティ・ソフト製品をセットにしたパッケージ「Mailstream Gurdian」として販売する。価格は130万円程度から。販売目標は初年度30システム。稼働OSはSolaris 8以降またはRedHat Linux Advanced Server 3.0以降。

 Mailstream Gurdianは,電子メール中継サーバーであるSendmailを中核に,大量メール攻撃やスパムなどに対抗するセキュリティ機能を付加したパッケージである。メール送信数が多いドメインからのコネクションを動的に閉じたり,ドメインごとに送信キューを設定するなどの制御機能を持つ。インターネットとの間でメールをやり取りするエッジ部分で運用するゲートウエイ製品である。

 中核となるMailstream Switch MTA 3.2では,ベースとなるオープンソースのメール・サーバーを最新版であるsendmail 8.13にするとともに,新たに送信ドメイン認証方式のDKIMを商用版Sendmailとして初めて標準で実装した。メールフィルタAPIであるMILTER経由で機能を拡張できるが,従来は,オープンソース版のDKIM機能である「dk-milter」をMILTER経由で利用していた。今回のMailstream Switch MTA 3.2では,dk-milterをコンパイルしたバイナリを標準で搭載し,センドメールがサポートをうたう。

 なお,DKIMとは,受信メールのヘッダーに含まれる電子署名を,DNSから得た公開鍵を用いて復号して検証する仕組み。メールを受信して検証する側のメール・サーバーが検証機能を備える必要があるのに加え,メールを送信する側のメール・サーバーにも電子署名をヘッダーに付与する機能を実装する必要がある。これに対して,すでにSendmailが機能を搭載済みのもう1つの送信ドメイン認証であるSender-IDの場合はDNS情報の登録だけで済むため,送信者側のメール・サーバーには変更は必要ない。