立花証券は6月20日、同日東証マザーズに新規上場したインターネット広告業のアドウェイズ(銘柄コード2489)の株式について、同日JASDAQに新規上場したマーケティング業CDG(銘柄コード2487)と取り違えて、2600株を1670円で売り注文を出したと発表した。

 誤発注が発生したのは午前9時10分。誤発注の原因は、機関投資家からの注文を受けた立花証券の発注担当者が、銘柄コードをコンピュータに入力し間違えたことだった。同証券ではすぐに誤りに気付き、1分後の午前9時11分に注文を取り消した。しかし、この間に1482株の株式の約定が成立してしまった。当時、アドウェイズの株式の気配値は147万円だったが、新規上場株については初値がつくまで値幅制限がない。そのため、単価147万円で906株、146万円で2株、145万円で6株、143万円で568株の約定が成立し、約定金額は約21億5500万円になった。

 立花証券は、市場での買い戻しなどにより株券を調達する方針だが、売却金額と買い戻し金額との差額で、数億円規模の損失が出る可能性があるという。

 現在、東京証券取引所のシステムでは、誤発注を防止するために、発行済み株式総数の30%を超える注文を受け付けない仕組みになっている。しかし、今回の誤発注は、アドウェイズの株式の発行済み株式総数の約17%に当たり、この制限にはかからなかった。